「ミッドサマー」感想考察ネタばれなし■観る前に知っておいたほうが良い事
やっと入荷したようですよ
「洗って使えるマスク」と「キレイキレイ」が人気です
ムカつくほど青い空と笑顔の裏に隠された恐怖・・・
目覚めるとそこには・・・
<基本ネタバレなしの記事になっています>
あらすじ
●感想
●お葬式を思い出した話
●村人の無表情さ
●今日の映画あるある
●ミッドサマーに似た映画
●面白くて怖い映画5選
●主演のフローレンス・ピュー他作品
皆さんこんにちは話題のミッドサマーついにやっと公開です。アメリカでは去年すでに公開済みです。
確か去年観たホラー映画「ハロウィン」も、日本では何ヶ月も遅れての季節外れの公開だったよな。
「ハッピーデスデー」なんてパート2と同じ時期の公開ですよー。どうなっちゃってるんですか、
なんで公開って世界同時にならないことが多いんですかね?他には
『ワンダーウーマン』
全米公開2017年6月2日 日本公開2017年8月25日(2か月半遅れ)
『キングスマン ゴールデン・サークル』
全米全英公開2017年9月22日 日本公開2018年1月5日 (3か月半遅れ)
『グレイテスト・ショーマン』
全米公開2017年12月20日 日本公開2018年2月16日 (2か月遅れ)
『ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル』(4ヶ月遅れ)
全米公開:2017年12月20日 日本公開:2018年4月6日などなど、、
そんな感じで日本には何か配給会社の都合等でズレちゃうんでしょうね。まあそんなことはさておき、あらすじと感想です。
ミッドサマー公式ホームページから引用
あらすじ
長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」で話題をさらったアリ・アスター監督の第2作目。不幸な事故により家族を失った主人公ダニーは、恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れる。友人ペレの誘いで、山奥の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。白夜のため、太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇る。村の住人たちが歌い踊る。一見楽園のように思えたその場所だったのだが・・・
主人公のダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じる他には「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、ウィリアム・ジャクソン・ハーパー、ウィル・ポーが出演・・
2019年製作/147分/R15+/アメリカ
原題:Midsommar
配給:ファントム・フィルム
感想
話題の「ミッドサマー」観てきました。
ミッドサマーの前作「ヘレディタリー」は初監督にしてかなり話題になりましたね。多くの方が、ヘレディタリーを観てから「ミッドサマー」をご覧になったんじゃないでしょうか?
当方もそうです。そんな皆さんは「ヘレディタリー」にあったような伏線があるんじゃないかと、今作「ミッドサマー」でも伏線を見逃すまいかとさぞ目を凝らして観たんじゃないでしょうか。僕もそうです・・・。
実はジャケットにもなっている、高くそびえ立つこの「ポール」も「あるもの」を形どっている。
それが後半で分かった時は苦笑いします。「分からない」人も多いと思いますので、念頭に置いてご覧になってみてください。
主人公ダニーの部屋には「少女と熊」が対峙した絵や、ボルガの村にも、それから起こるであろう儀式の様子を現した絵が、そこら中に貼ってある。
今作のオープニングも導入部分は「絵」から始まる。恐らくこれは全体的に紙芝居方式で示していくという暗示だったのだろう。
しかし実は・・・この一瞬見える絵にも「ある有名な童話」の物語を暗示させる人物が隠されている。。
この映画の中で、人生を季節として例えている会話がある。。
「0歳~18歳までは春で、19歳~36歳までは夏。36歳~54歳までは秋・・54歳~72歳までは冬・・
主人公は26歳 19歳~36歳のちょうど間の「ミッドサマー」になっている
冒頭に暗闇に映る凍り付くような雪景色、そして流れる歌声、耳を切り裂くようなBGM(ちなみにこの時流れるBGM名は「Prophesy」つまり予言。なんとも意味ありげである)
その後ニュージーランドの青い夏、夜がやってこない百夜へと物語はドン転するのだ。
このドンテン具合は、凍り付いたような主人公の心とリンクさせることができるのではないでしょうか?
主人公のダニーは抗うつ剤を元々服用するような精神的に弱い部分がある。それにもかかわらず追い打ちをかけるように「ある事が起きる」・・
数か月後、ダニーは大学の友達5人でスウェーデンに旅行に行くわけだけど・・
この物語は本当に一つ一つのシーンをゆっくりと見せる。
それがアリ・アスター監督風なのだろう。車で村に向かうシーンでは村に入った途端画面がひっくり返る。観客に対して、村に入ったことで君たちの人生、世界観が変わるということを暗示してみせている。
村の奥へと歩いていくシーンでも、ゆっくりと上空からみせる手法を取っている。これは「映画シャイニング」を彷彿させるようにあえてしているようにも見える。
僕にはあの「ヘレディタリー」に出てくる母親役の人が、シャイニングの母親役の人とダブって見えたんだよね。
アリアスターは古典ホラーが好きな監督なので、もしかして「シャイニング」にも影響を受けたのかもしれない。
この映画の面白さは何と言っても、
村人の謎の連帯感だ!!
到着した翌日、 朝食がふるまわれる。村人全員がテーブルの前に立って、一向に誰も座る気配がない。アメリカ人たち5人は「郷に入れば郷に従え」で当然のことながら、訳の分からないまま立っている。かなり長い時間過ぎたんだろうころに、少年がやってきて、鐘を鳴らすと、三角錐の建物から2人の人物が姿を現し、その2人”が座ると、全員が座る。
この意味不明な行動や、そして無表情な村人たちが不気味なんだけど・・
僕は幼少の頃に、全然知らない「おじさん」の葬式に行った時の気持ちが蘇ってきた。
家族4人以外は全く知らない人たちばかり、皆が皆、統制の取れたような黒い服に身を包んでいる。そんな光景はそれまで観たことがなかった。泣いている人や、無表情な人
皆が義務のように、喪主と呼ばれる人物の元へ行き、何か同じような会話を交わす・・
そして、僕は順番の回ってくるご焼香をどうしていいのかわからないまま眺めている。
その所作を家族が教えてくれるわけでもなく、失敗してはいけないんだろうという変なプレッシャーを感じながら、父親のやることをこっそり盗みながらやった。
普通にそこに死体が置かれているという初めての不思議な光景・・
そんな感覚がこの映画にはある・・
「よくわからないまま集団の中に入って、訳が分からないままでも同じ行動をしていないとまずいという・・
<若干ネタバレ含む箇所注意>
この集団には奇妙なルールが存在する
例えば女王を決める「謎のダンスバトル椅子取りゲーム」方式もルール・・
なんかぶつかって倒れたら負けみたいな変なゲームがあったり、ビンゴゲームみたいな玉であることを決めたり・・
あるものを飲ませる行為・・
とにかく独自のルールやジェスチャーが滑稽でおかしい。。
太鼓やバイオリン、笛での出迎え、村人たちは陽気に歌いそして踊る。そうかと思えば、無表情で一言もしゃべらない統制がとれた連帯感も見せる。
そして訪れる後半のシーンでの衝撃な「統一感」には、ホラー映画ではありながら、笑いが込み上げてきた(苦笑いというかなんというか)
これは昨今のジョーダンピール監督ような恐怖と笑い。そして『パラサイト半地下の家族』でも起こる笑いと恐怖。この交互に来るバランスが妙味。
恐らくこれからホラー映画をけん引していく2大監督「アリアスター」「ジョーダンピール」なんだと思っています。
ちなみに*ジェームス・ワンは音で脅かそうとするので好きではない。
ここでいきなり恒例の【映画あるある】を挟みたいと思います。
あるあるー!
今回はちょっとあるあるとはズレていますが、アナベルの原型がほぼない。。普通に本物のアナベル人形だと「チャッキー」と被るし、こんな形態のアナベルだと
最悪「アナベル VS チャッキー」とかやりかねないよね。
それは観たくないし「ジェイソン VS エルム街の悪夢」も「エイリアン VS プレデター」ももれなく面白くなかったよね
話を戻そう・・・「今作ミッドサマー」に
似た映画は過去に何かあっただろうか?と前の記事でこちら2つを紹介したのですが・・・↓↓
内容は変な宗教団体に入った妹を取り戻しに数人で、取材に扮して潜入する話です。こちらは1970年に実際に起きたカルト集団の集団自殺を元につくった映画
他には同じジャンルでニコラスケイジの「ウィッカーマン」があります。
- 発売日: 2013/11/26
- メディア: Prime Video
変な宗教に入った娘を探しにいった元警官の運命を描いたサバイバルミステリー。
でも「ミッドサマー」はどちらでもない・・・どちらでもなかった。。
レオナルド・ディカプリオの「ザ・ビーチ」であります。
ザ・ビーチ (1999)
THE BEACH
- 監督ダニーボイル
- あらすじ
- レオナルド・ディカプリオ主演のミステリアス・アドベンチャー。
自由を求めて未開の地へ冒険する主人公を通し、現実感を喪失した現代のリアルな若者像を浮き彫りにしてゆく。
ロバート・カーライル共演。監督に「トレインスポッティング」のダニー・ボイル。
刺激を求めてタイのバンコクへとやって来たリチャード。彼はそこで、地上の楽園と呼ばれる伝説の孤島の噂を耳にする。
内容は・・・主人公が地図に載っていない楽園と呼ばれる場所にたどり着くんだけど、そこにはコミュニティーがあって、最初はよかった人間関係が徐々に崩壊していく話。
個人的に好きな作品だし。
当時「タイタニック」でアイドル扱いされた反発か!!
ディカプリオが他の映画を断って出たという今作
「俺がやりたい役は王子様役じゃねえ!!!もっとクズ男を演じたいんだーーー!!」
と言ったかは定かではありませんが。。
僕の中でレオ様の好感度がめちゃくちゃ上がった
甘ったれのクズっぷりを発揮するレオ様
気持ちいいぐらいの欲望を剥き出しにした等身大の若者を見事に演じている。
(ウルフオブウォールストリートのレオ様が好きな人はたぶん好き)
わかさゆえの自意識の高さとうぬぼれ、何者にでもなれるというおごりと、自由はほしいけど何にも責任は負いたくない・・・
そんなもの全部をバックパックにつめこみ、タイに向かった青年の話。
物語はホテルで偶然出会ったカップルと意気投合して、3人で
「地図には載ってない噂の【夢の楽園】に向かうところから始まります。。しかし一見楽園のようにみせかけた閉鎖されたコミュニティー。
この映画の面白さは何と言っても、レオ様のクズっぷり
自分の都合で他人の事は攻撃をするし、女も平気で奪う
そのくせ自分が窮地に立たされると
「お前らそれでも人間かぁぁぁ!」と自分のことは棚に上げて発狂。森で芋虫を食べたり、ゲーム感覚で森を突き進む!!
物語が進んでいくと、ヒロインの元カレが、レオ様と対照的に随分と大人であることが様子も滑稽で面白い
(ただヒロインがこんなクズっぷりのレオ様を好きになるのは、いささか不可解だが、まあ結局顔で選んだのかと、自分を納得させた)
楽園は思わぬ理由で崩壊に向かっていく・・・
その際の集落の人間達のエゴが剥き出しになり、最後はどうなるでしょうか?って話
2つの作品には
現代社会からの離脱と楽園とコミュニティー、人間のエゴや崩壊・・共通点は多々あると思います。
さてミッドサマーの話に戻りますが
もう終盤の「例」のみんながシンクロするシーンとか・・
おばあさんが「まだですか!!」ってイライラして、後ろから押すシーンとか笑っちゃうよね。(観てないとチンプンカンプンな表現で書いてますネタバレではありません)
そして無表情さの中に隠された恐怖を皆さん堪能してください。
↓ヘレディタリーの女の子も無表情さの怖さがありましたよね。
ファンサービスで、舌を「コッコ」鳴らす人とか出てくると面白かったのにね。
代わりに「ホーハー」というホルガ村独特の呼吸がありますがね。
(これはホルガ村独特のストレスを吐き出す方法)
通常こういった1人また一人といなくなっていくようなホラーでは、いくつか使われる
「ホラーあるある」が多用されるのですが、このミッドサマーには使われません。
ド定番で言いますと、「ヒロインが美人でスリム」「タンクトップで逃げるときこける」「車で逃げようとする」「エンジンがかからない」・・・
このスローな雰囲気のミッドサマーにはそんなスピード感のある危機迫る演出は必要ない。
アリアスター監督はこの映画を『家族映画』とも称しています。
主人公ダニーは美人ではありますが、体型もヒロインには似つかわしくない下半身が太め
彼女は彼のクリスチャンに依存気味。その一方でクリスチャンはどこかダニーの事をうっとおしく思っている。
今作ホラー映画でありながらも、実は恋愛映画でもあるんです。
ぜひ!!あらゆる伏線に注意してご覧になってください。
*少しねたばれ風を含みます↓
どれも個性的な作品です。
よろしければこちらもご覧ください
ミッドサマーで主演を果たしたフローレンス・ピューはイギリス出身の俳優。
2014年にデビューした。2018年の映画『アウトロー・キング スコットランドの英雄』でクリス・パインやアーロン・テイラー=ジョンソンなどと共演した後、ホラー映画『呪われた死霊館』で主人公に抜擢される。↓こちらに感想かいてます
順調にキャリアを積んだフローレンスは、2019年にドウェイン・ジョンソン出演の映画『ファイティング・ファミリー』に出演。
そしてホラー映画『ミッドサマー』など、数々の話題作に出演する。
先日の2020年アカデミー賞では映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の末っ子エイミー役で助演女優賞にノミネートされるという演技も認められた。
* 映画『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、2020年3月27日に日本公開予定
現在24歳のフローレンスは4人兄弟で、それぞれが俳優やミュージシャンなど、芸能の場で活躍している。
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↓映画館に行く際には絶対にご覧に